⑯偏差値55→60を狙う中学数学【番外編 埼玉県過去問】

シリーズで中学数学の偏差値60を目指すポイントを紹介しています。

 

私が教室長を勤めていた個別指導塾では、偏差値60を超える生徒が受験生の25%くらいだった印象です。偏差値50台から60を超えるためにはズバリ「図解する力」が必要です。図解するってどういうこと?と感じるかもしれません。図を書くことでもないですし、少しコツが必要ですが「自分なりに図を書いてみて考える」ということです。

 

文章問題であれば、その文章を図にして表してみるということです。証明問題であれば、問題の図を利用して等しいマークを入れたり、図を抜き出すことです。

今回の例題のように、グラフを利用する問題では、グラフに図形の性質を書き加えます。

 

実際の過去問で考えてみましょう。

埼玉県の県立入試で解説します。実際の問題とは若干違うところもあるのですが、解くためのポイントは一緒です。難しく感じるかもしれませんが、鉄則に沿って考えましょう。

 

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よく言われるような融合問題ですね。誰が見ても、グラフと図形の融合問題であることはパッとわかると思いますが、ここからどうするかです。まずは問題の文章とグラフをつなげることに集中しましょう。こういった手順は、慣れてくればササッとできるようになります。

「いろいろ書いてあるけど、結局この図の通りじゃん」

ここまできたら、交点の座標を求める、グラフの式を求める、とやることは一緒ですね。計算ミスに注意しながら、わかることは全部調べてしまいましょう。

 

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 図を書いて考えるのですが、点P、直線mを問題文の通りに書けるように練習しましょう。正確に書く必要はないのですが「このへんに点Pがあるんだな」とゴールをイメージできることが大切です。

ここまで書ければ半分解けたようなもんですが、この問題のちょっと難しいところは

「点Pの座標がわからないから、x座標をtにして計算しちゃおう」

というところです。

関数やグラフは「x座標がわかればy座標もわかる」という仕組みになっているので、x座標をとりあえず文字(ここではt)にしてしまいます。この考え方は高校数学では当たり前のように使うので、受験勉強をしながら慣れてもらえるとラクになりますよ。

 

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この問題も図を書いてみることがポイントです。

部分点がない問題なので、本番では2分くらい考えても進まなかったら飛ばしてもいい問題ですが、個人的には慣れるまで3回は解いてほしい良問ですね。この問題をマスターすることで

・座標とグラフを求める

・ゴールのイメージを書いてから考える

・グラフ上の面積を求める

・わからない座標は文字でおく

・面積比で2次方程式をつくる

とたくさんのポイントを復習することができます。

 

数学のいいところは、解ける問題の種類が増えて偏差値が上がると、あまり下がることがないっていうところです。ぜひ偏差値60を目指して、ライバルに数学で差をつけられるようにしましょう。