シリーズで中学数学の偏差値60を目指すポイントを紹介しています。
私が教室長を勤めていた個別指導塾では、偏差値60を超える生徒が受験生の25%くらいだった印象です。偏差値50台から60を超えるためにはズバリ「図解する力」が必要です。図解するってどういうこと?と感じるかもしれません。図を書くことでもないですし、少しコツが必要ですが「自分なりに図を書いてみて考える」ということです。
文章問題であれば、その文章を図にして表してみるということです。証明問題であれば、問題の図を利用して等しいマークを入れたり、図を抜き出すことです。
今回の例題のように、グラフを利用する問題では、グラフに図形の性質を書き加えます。
実際の過去問で考えてみましょう。
埼玉県の県立入試で解説します。実際の問題とは若干違うところもあるのですが、解くためのポイントは一緒です。難しく感じるかもしれませんが、鉄則に沿って考えましょう。
よく言われるような融合問題ですね。誰が見ても、グラフと図形の融合問題であることはパッとわかると思いますが、ここからどうするかです。まずは問題の文章とグラフをつなげることに集中しましょう。こういった手順は、慣れてくればササッとできるようになります。
「いろいろ書いてあるけど、結局この図の通りじゃん」
ここまできたら、交点の座標を求める、グラフの式を求める、とやることは一緒ですね。計算ミスに注意しながら、わかることは全部調べてしまいましょう。
図を書いて考えるのですが、点P、直線mを問題文の通りに書けるように練習しましょう。正確に書く必要はないのですが「このへんに点Pがあるんだな」とゴールをイメージできることが大切です。
ここまで書ければ半分解けたようなもんですが、この問題のちょっと難しいところは
「点Pの座標がわからないから、x座標をtにして計算しちゃおう」
というところです。
関数やグラフは「x座標がわかればy座標もわかる」という仕組みになっているので、x座標をとりあえず文字(ここではt)にしてしまいます。この考え方は高校数学では当たり前のように使うので、受験勉強をしながら慣れてもらえるとラクになりますよ。
この問題も図を書いてみることがポイントです。
部分点がない問題なので、本番では2分くらい考えても進まなかったら飛ばしてもいい問題ですが、個人的には慣れるまで3回は解いてほしい良問ですね。この問題をマスターすることで
・座標とグラフを求める
・ゴールのイメージを書いてから考える
・グラフ上の面積を求める
・わからない座標は文字でおく
・面積比で2次方程式をつくる
とたくさんのポイントを復習することができます。
数学のいいところは、解ける問題の種類が増えて偏差値が上がると、あまり下がることがないっていうところです。ぜひ偏差値60を目指して、ライバルに数学で差をつけられるようにしましょう。