栃木県立入試の傾向と対策【高校受験 社会】

私は現在、栃木県の個別指導塾で勤めています。

実際に生徒に授業することが多いですが、教室長として全国の入試過去問を分析して予想問題の作成をすることも仕事のひとつです。せっかくなので、私が考える傾向と対策をまとめますので、高校受験生やご家庭、または教える方の参考にしてもらえるとうれしいです。

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どの都道府県であっても、入試問題の社会の大まかな対策は理科と一緒です。

地理、歴史、公民と教科書が分かれており、さらに流行りの融合問題もあるので、大問の数は多いです。大問がさらに4問くらいの小問に分かれており、半分がカンタンな小問、半分がちょっと難しい小問、という問題構成になっています。

そういうわけで、平均点を確実に取りたい生徒の作戦は「カンタンな問題を確実に得点する」になります。


塾に通っている生徒に聞いてみても、なんとなくのイメージで

「歴史つまんない」

「地理とかムリ」

と先入観を持ちやすいので、講師は出発点が大切です。

ここで「理科とか社会なんて暗記すればいいんだよ」と言うのはカンタンですが、暗記できるなら苦労しません。暗記することを絞ってあげることからですね。


歴史がどうにもこうにも苦手な生徒に対しては

「とりあえずそれぞれの幕府をつくった人は覚えようよ」

「で、幕府ってどんな順番だっけ?」

のように、とにかく考えることを絞ることが最優先です。

次にバッタリ塾で会ったら、すかさず

「鎌倉幕府の次は何幕府だっけ?」

「その室町幕府をつくった人は?」

と聞きましょう。

この繰り返しで経験上、偏差値55くらいまでは届くと思います。

生徒が友達とクイズを出し合ってどんどん暗記するようになると、その後は過去問中心の受験対策で大丈夫ですね。

個人的に社会に関しては、自分の受ける都道府県だけでなく全国過去問に挑戦する価値があると思います。意外と社会はバラエティたっぷりな出題形式で大人が見ても「へー」「なるほどねー」と感じます。

もちろん受験は大切ですが、いろいろな知識が入って面白いと思いますので、社会は大人向けの学び直し学習塾みたいなビジネスがあったら、一番人気の教科になると思います。

テッパンの勉強法としては、自分専用の必殺ノートをつくることは有名です。向き不向きがありますが、自分で振り返りしやすいようにノートにまとめることができれば、受験勉強はかなりラクになります。

しかもノートがつくれると、社会がわからない友達にも説明して教えられるようになるので、自信がついてさらにアタマに入ります。


細かい単元ごとの解説はここでは行いませんが、自分専用の必殺ノートをつくれるようになれば、確実に偏差値60は届きます。もし学校や塾でノートをつくったり、資料をまとめる宿題が出ているのであれば、ぜひ積極的にチャレンジしてほしいですね。一生役に立つ能力になります。
各大問で半分取れれば偏差値50です。

最近は全国的に、地理、歴史、公民をさりげなく融合した問題が増えてきました。単元どうしのつながりがほとんどゼロの理科にはあまりできない出題形式です。

もし、私が問題作成者だったら

「北方領土問題について、地理的な重要性と第2次世界大戦終結について必ず盛り込んで、子ども新聞を作りなさい」

みたいな問題を出したいです。


偏差値で60~70を目指すのであれば、新聞やTVに登場する政治ニュースを理解していることが求められます。選挙権の話が出たら

「日本の選挙権の成り立ちってどうだっけ?」

ヨーロッパの話が出たら

「EUって通貨は何だっけ?本部はどこだっけ?」

「EUの一番の農業国はどこだっけ?」

と、どれだけ連想できるかが勝負です。


どの教科にも言えますが、ディスカッション形式で授業できれば楽しく覚えられると思いますね。参考にしていただけると幸いです。