栃木県立入試の傾向と対策【高校受験 国語】

現在私は、栃木県の個別学習塾で勤めています。

全国の高校入試の過去問を分析して予想問題の作成などを行っています。その傾向と対策をまとめますので、高校受験生やご家庭、または教える方の参考にしてもらえるとうれしいです。

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高校受験の国語は問題構成はほとんど一緒です。自分の住む都道府県以外の過去問にもぜひ挑戦いてほしいですね。もちろん同じ問題は出題されないのですが、説明文や物語文の解き方はどこでも変わらないことを実感できると思います。

 

国語の入試問題は構成が、小問集合、古文、説明文、物語文、作文とはっきり分かれるので、大問ごとに得意不得意がはっきり分かれます。塾で指導するときにも「今月は大問3対策をしよう」と作戦がシンプルでわかりやすいですね。

どのような作戦で点数を上げるのか、学校の先生、塾の先生としっかり決めておくことが大切です。国語に関しても、定期テストと入試問題はまったく別モノなので、早く受験対策に移行できるようにしましょう。

国語は、中学3年生の夏休みで過去問に挑戦してもいいくらいです。2年生でも腕試しで解いてみることをオススメしています。点数はあまり気にしないで問題構成を知っておくだけでも、かなりできるようになった気がすると思います。

 

数学と同様、国語の入試問題の場合にも、大問の中身だけ見ればカンタンな順に小問が並んでいることが多いですね。国語は結局「日本語」なので「この問題は難しそうだな」とすぐに判断できるのがいいです。カンタンな小問を落とさずにしっかり得点することが大切です。


①小問集合

漢字、慣用句、文法、敬語など大問1でよく出題される小問集合についてです。ある程度自信があれば、大問1だけを全国の過去問でどんどん解いてみることをオススメします。大問1だけは都道府県によって出題傾向が変わることはほとんどないので、いろいろな問題を解いて見直すだけでも点数はさらに上がると思います。

 

大問1で思うように得点できず半分に届かないようであれば、漢字などの練習は受験勉強のスキマ時間でコツコツ取り組むのも一手です。受験のために大問1対策に大幅な時間をかけるよりも、点数を上げやすい大問や他の教科に力を入れた方が合格に近くなるかもしれません。

私が指導するときにも「漢字を何千個覚えるよりも、作文で8割取れるようにしよう」と優先順位を変えることも多々あります。

どの教科にも言えますが、感覚ではなくて模試を受けた得点分析をもとにして作戦を考えましょう。最短で5教科合計の点数が上がる近道を、塾の先生としっかり作戦を考えて「これなら上がる気がする」ことが大切です。


②古文

古文の雰囲気をつかむのが上手な生徒は有利です。中学校の古文は良くも悪くも細かい文法に触れないので「ふんわりと雰囲気をつかむのが上手いかどうか」が勝負ですね。

問題を見た瞬間に、出典を確認して注釈を読んで、全体を見渡してだいたいの意味をキャッチする、という解き方ですが、正直生徒に教えるのが難しい単元です。しょうもない内容がテーマの出題も多いですね。

細かいテクニックがほとんど不要で「こういうときにはこうする」みたいな必勝パターンもないので、入試問題に入れない方がいいのではないでしょうか。

個人的には古文や漢文を学ぶくらいなら、今年売れている現代文学に触れたり、海外作品をみんなで和訳コンテストでもやった方が学力になると思っています。


③説明文

説明文は「答えは本文から探す」という鉄則がどういうことなのかわかってきたら、確実に半分以上得点できます。理系の私は最初ものすごく苦労しました。

苦手だったからこそ「何がコツなんだろう」と考えましたが、現在学習塾で教えていることも含めておおよそ以下の対策ができればいいと思います。

・段落に番号を①、②、③、・・・と書く

・内容が変わるから段落が分かれているので、段落ごとの内容を把握する

・「これ」「それ」の指示語と前の文章をつなげられる

・「言い換えてるだけ」「例えてるだけ」に気づく

・最初か最後の結論に注目する

このポイントを押さえながら過去問を解いてみればいいでしょう。

 

④物語文

物語文は、説明文と違うことを理解することからですね。

・セリフや状況描写から感情の変化を読み取る

・結論があるわけではない

この2つが大きな違いだと思います。

感情の変化を丁寧に追わなければならないので、もし苦手意識があるのであればカベを越えるのは時間がかかるかもしれません。カギカッコのセリフの変化、動作の変化を見つける練習をしましょう。

よく国語の点数を上げるためになぜ読書習慣が必要なのか、という議論がありますが、想像力と語彙を増やすためには読書しかないかな、というのが私の結論です。


⑤作文

作文は内容による加点よりも、ミスによる減点を防ぐことが大切ですね。

模試では作文に手をつけない生徒もいますが、国語が苦手な生徒ほど「作文で取ろうよ」とアドバイスしています。極端に言えば、作文から解きはじめることをオススメすることも多々あります。原稿用紙の使い方は1回復習すれば大丈夫でしょう。あとは指定された文字数を書き上げて減点さえされなければ半分以上得点できるはずです。

 

原稿用紙の使い方がわかったら、次のステップは「何を書いたらいいのかわからない」をどうするかですが、ポイントは「書きやすい結論を選ぶ」です。自分がどう思っているのかよりも、どういう結論にすればエピソードなども含めてガンガン文字数を稼げるか、と考えましょう。

別に討論をするわけではないので、自分が読書習慣なんていらないんじゃないか?と思っていたとしても

「読書習慣があることで、このような経験をしたことがあります」

と具体的に書けること大切です。

1回必勝パターンとなるモデル作文をつくって、モデル作文をマネる方法で練習回数を重ねましょう。他の大問でも点数を拾えれば偏差値60が見えるはずです。

過去問では時間を計りながら解くことを忘れずに。