学習塾教室長として、個別指導塾の生徒数を12ヵ月で20%以上(140名台→180名台)増加させてきた経験から、私なりのポイントを紹介しています。座席数の限界まで生徒数を増加させて、1000校以上ある直営&フランチャイズ教室のうちTOP2を達成、上位に定着させることができました。
学習塾の生徒数を伸ばしたい、または教育業界に限らず顧客増加を考えているのであれば、参考にしてもらえるとうれしいです。
あなたが仮に、個別指導塾の運営(経営)をしているとします。その教室の競合はどのように設定しているでしょうか。
・近隣の個別指導塾
・合格実績が高い集団進学塾
・個人で経営しているアットホームな個人塾
・家庭教師
・そもそも「学習塾って必要なの?」という考え
どれが完全正解、というのはありませんが「その入塾を検討している親子にとって、何が比較対象になっているのか?」をしっかり把握する必要があります。ここがずれていると「一緒に頑張りましょう」と伝えたところで効果は薄いです。
この例でいけば、個別指導塾の教室長として
・あなたの塾と他の個別指導塾では何が違うのか?
・個別指導塾と集団進学塾では何が違うのか?
・個別指導塾とアットホームな個人塾では何が違うのか?
・個別指導塾と家庭教師では何が違うのか?
・塾を使うことと家で勉強することは何が違うのか?
をしっかり比較しながら、それぞれのメリット&デメリットを伝えなければなりません。これは生徒数を伸ばしたい、という以前に教育業界の価値を上げるためにも必要です。
入塾を検討しているご家庭が、何に懸念を抱いているのか次第ではありますが、およそトップ5は以下のような感じではないでしょうか。
①月謝
②通塾距離や時間帯
③テスト対策や受験対策の安心感
④自習室の環境や教室の雰囲気
⑤授業の進め方
このトップ5には、教室長の印象を入れていませんが、これらをしっかり説明できることが教室長(=教室)の印象を押し上げると思いますので、ここでは省略します。
そのご家庭が、あなたの塾に決め打ちで説明会や体験入塾を申し込んできたのであれば、期待に応えることに集中すれば良いですが、他塾と迷っていたりするのであれば、他塾のプレゼンも一緒にやってあげるくらいのスタンスが理想です。
「向こうにはこういったメリット、デメリットがあると思いますので、しっかりその目線で話を聞いてきてください」
と、他塾の説明会や体験入塾を提案してあげましょう。
選ぶ判断基準を(適度に)あなたの塾に有利になるように話を終えるのが良いと思います。あまり間隔を空けずに、どんどん他塾も見てもらって熱が冷めないうちに、また戻ってきてくれるのがゴールイメージです。
「集団塾の説明会に行ってきましたが(心配してくれたように)レベルによってクラス分けっていうのは、ウチの子には合わないと思いました…」
「向こうの体験授業に行ってきましたが、教科書と専用テキストをどんどん進めるだけで(心配してくれたように)英検対策はやってくれないようでした…」
のように、結果的に選んでもらえるストーリーを描くと良いと思います。
これで、生徒数が増えるだけでなく「よくわかっている教室長」という評価も得た状態で入塾してくれます。
集客ビジネスですから、あなたの塾に来てほしい生徒像、ターゲット(ペルソナ)をしっかりと設定することは大切です。しかし、来てくれたご家庭の塾に対するイメージや懸念材料、期待の内容や大きさはかなりバラバラです。
だからこそ(特に入塾時は)来てほしい生徒像に当てはめるのはNGです。個別にコミュニケーションを考えて「このご家庭は即決では入塾しないな…」と思ったら、プッシュする努力をするのではなく、どんどん他の選択肢も見てもらうべきです。
結果的に親子でしっかり納得して入塾するので、効果は絶大です。保護者同士の口コミも期待できるので、そこまで狙うべきです。
生徒数を圧倒的に伸ばすポイントを紹介しました。上の①~⑤について改めて振り返ってみると良いと思います。
①月謝
②通塾距離や時間帯
③テスト対策や受験対策の安心感
④自習室の環境や教室の雰囲気
⑤授業の進め方
これらについて、あなたの塾の強み、他塾との比較、他塾が優れているところ、他塾では叶わないこと、をぜひ整理してみましょう。