学習塾教室長が考える最短距離の勉強法を紹介します。一言で言ってしまうと「連想ゲーム」です。この勉強法がひとりでもできるようになると、次のステップとして「友達と問題を出し合うゲーム」ができるようになります。
実は、ここまでできると偏差値55くらいまでは、ありがたいことに塾の助けを借りなくても勝手に伸びていきます。塾では教科書を予習することに専念できます。
教室長として勤めていると、1年に3~4回は生徒面談や保護者面談を行います。点数上げるためには、とにかく暗記!と思っている生徒、保護者が多いので、そういうときは勉強に対する向き合い方をアドバイスします。もちろん暗記はある程度は必要ですが、それだけでは全然勉強が面白くないですし、将来も役に立つ力を身に付けてほしいので、ここで「連想ゲーム」を紹介です。
根本的な考え方は
「問題文はキーワードばっかり」
「キーワードがあったら連想する」
の2つです。
例えば中学校の数学なら
「角ADCが90°になるように点Dをおく・・・」
なんていう問題文があるときに「90°」っていうキーワードから
・三平方の定理かな?
・ACは直径かな?
・三角形の面積かな?
・直角三角形の合同かな?
高校生なら
・点Cと直線ADの距離かな?
・三角関数かな?
・内積ゼロかな?
まで連想できるかどうかが数学力の差になります。連想するという発想がないと、全部のパターンを覚えるしかないのでキリがありません。
数学であれば、確率、方程式、関数はほとんど連想はいらないです。素直に問題文の通りの式をつくれるかどうかがポイントですね。しかし、図形が出てくる単元やいくつかの単元が混ざる問題ではこの「連想する力」「引き出しの数」がモノを言います。実際の解答に必要な性質は、問題文に直接書いていないからです。
「ひし形」のキーワードから「4辺が等しい」がパッと出るかどうかです。
偏差値60の壁です。
教科で言うと、社会は連想の練習がしやすいでしょう。友達と問題を出し合うだけで、確実に連想する力が高まります。
・「フランス」のキーワードからどこまで言葉が出てくるか
・「幕末」のキーワードからどこまで言葉が出てくるか
地球儀でどこかの国を指しても、同じことができますね。
料理のレシピや会社で使うようなマニュアルは、誤解のない表現が必要なので、むしろ何も連想する必要がありません。大人から見ると、ここが難しいところです。
たったひとつのキーワードから「あぁ、またあの問題ね」と連想できるかどうか、教える側も教わる側もポイントです。学習塾を検討する際は、一方的に解説をする塾だとイマイチですね。わかった気になる典型です。苦手な教科ほど、対話を通じて引き出す訓練をしてくれる学習塾や家庭教師は成果が出やすいと思います。