学習塾教室長の視点で成績を上げるためのアドバイスを書いています。受験を控えたご家庭や受験生に何かしら貢献できれば幸いです。
よく勉強に関しては「成果が出るまで時間がかかるので我慢も大事」と言われています。私もまったく同感ですが、生徒を見ている限り、実際の行動の変化までに1ヶ月、成績が安定して伸びるまでに3ヶ月、といったところでしょう。
私たちのような指導する側、応援する側としては、行動が変化した段階で気づいて評価しなければなりません。油断していると、いつの間にか成績が上がっていてビックリ!「えっそんなに頑張ってたの?」というあまり良くない雰囲気になっちゃうので、よく見るように気をつけていますね。
生徒には
「3ヶ月これを頑張ってみよう」
「まずは小さな習慣を変えよう」
と伝えることになります。成績が上がるまで、時間が必要なことも忘れずに伝えます。
筋トレをしたからといって、いきなりムキムキになるわけではないように、勉強においても時間がかかることをよく理解してもらわないと
「頑張ったけど変わんないじゃん」
と取り返しのつかないブレーキになるかもしれません。
生徒によって、どのくらい時間がかかるのか見えないところがツライです。ここで我慢できないと、飛行機でいう「離陸の瞬間」は永遠に訪れません。この「離陸の瞬間」を一度でも体験できたら安心です。社会に出て働くようになっても、やるときはやる大人になるでしょう。成果が出るまで待つことも立派な作戦です。
ご家庭とのコミュニケーションで結構困るのは、保護者の方が我慢できないパターンです。受験まで時間がなくて焦る気持ちもわかりますが
「学習する習慣がつかない」
「成績が上がらない」
「授業がわかりにくいらしい」
「もっと宿題を出してもらえますか」
などなど様々な意見をいただくことがあります。
こちらの力不足もあるでしょうから、意見や要望に関しては極力改善を図ります。場合によっては大幅な作戦変更、教材変更、講師交代まで行うこともあります。こちらがいろいろ手を尽くしても、わずか2~3ヶ月で転塾の検討をするご家庭もあります。
少し言い方が悪いかもしれませんが、要望に応えていて成果が出る前に作戦変更をしてしまうこともあります。ここに生徒の意思がなかったりすると、やることがコロコロ変わるのでますます成績は上がりません。
子どもの目には「一度決めたことを否定する」と映ります。ビジネスの世界では当たり前の「方針転換」も、子どもにとっては
「自分じゃなくて環境が悪い…」
「自分はどこに行ってもダメなんじゃないかな…」
と思ってしまいます。
親はどっしり構えてる、くらいの安心感が必要ですね。
「一度決めたんだからちゃんと頑張ろう」
そう思えるような学習塾をしっかり探して、離陸の瞬間をじっと待つ。こういう信頼関係が築ければ、勉強以外の場面でも良い親子関係を維持できると実感しています。