学習塾で教室長として勤めています。中3受験生は年に何回も模試を受験しますが、学習塾目線で見た模試を受ける意味をまとめます。教える立場の方はもちろん、受験生やご家庭で参考にしてくれたらうれしいです。
当塾では、学習塾で模試を実施するときには問題用紙を持って帰ってもらいます。その日のうちに見直す生徒もいるでしょうし、教室で保管しても返却の手間や紛失のリスクがあります。
解答用紙もその日の夕方には業者に郵送してしまうので、生徒がどのように問題を解いているのか確認するには、業者から返却された解答用紙を見る場合がほとんどです。
もちろん得点集計表は見ます。合計点、得点分析、偏差値、志望校判定など一通り目を通しますが、成績を見るというよりは、生徒に
「今回理科すごいじゃん!頑張ったんじゃない?」
「国語どうしたの?らしくないね」
のようにプラスでもマイナスでも評価を伝えるためです。ただし、学習塾としては、何回も受験する模試のたった1回の結果としか見ていません。瞬間風速みたいな結果はあまり意味がないと考えていて、何よりも解答用紙に注目します。
解答用紙を見れば、どのようにマルがついて、どのようにバツがついているのか、そもそも手をつけているのか、意欲があるのかどうかさえわかります。
そこからわかるのは
・今回の点数は実力なのか
・伸びたけどラッキーパンチなのか
・下がったけどうっかりミスなのか
・本来の実力はどのくらいなのか
です。
「どの教科のどこから伸ばせそうか?」と戦略を考えるのが大事ですね。このプロセスがないまま受験だけを目指してもピンときません。保護者面談で「志望校合格のために偏差値があと5足りないですね。どうにか1ヶ月に1ずつ上げましょう」と伝えても「・・・」となります。
保護者は「上げるのはそっちの仕事でしょ」と思うのが普通でしょう。
模試の結果から戦略を考えれば
・自分で攻略する単元
・塾で復習する単元
と効率よく勉強ができます。成果が出やすくなるので、生徒のモチベーションを維持しやすいですね。
もうちょっと突っ込んで解答用紙を分析すれば、模試に対して自信があるのかないのか、そもそも意欲があるのかないのか、そこまで察することはできます。ここはさすがに通常の授業風景や本人とのコミュニケーションで事実確認が必要ですが、参考にはなります。
学習塾の利用を検討したり、探しているご家庭は、システム、料金、建物、雰囲気のようなハード面もとても大事ですが「どのように成績を上げるのか」ソフト面の確認をしてもらえれば間違いないと思います。
ぜひ体験授業や直接面談を通してピタッとハマりそうな学習塾を探しましょう。