⑫偏差値55→60を狙う中学数学【プログラミング問題を極める】

私は学習塾で中学数学、高校数学を専門に教えてきました。

その経験から、偏差値を5ずつ上げるテクニックを紹介します。生徒によって「どの単元が得意!」「どの単元が苦手…」とかあると思いますが、大きな傾向は一緒です。偏差値を5ずつ区切ります。偏差値35→40→45→50→55→60、と取り組む単元を絞って取り組むことが大切ですね。

 

今回で偏差値を5ずつ上げるシリーズは完結です。最後は「プログラミング問題」というタイトルで、思考力を試すような問題をテーマにします。

 

各都道府県の高校入試を見てみると、ひと昔前と比べて格段に問題の文章量が増えました。そして「公式知っていれば、とりあえずどうにかなる」というタイプの問題は激減しました。大学入試改革において、論理的思考力や表現力を問う問題が増える傾向にありますが、確実に高校入試もこの流れを意識しています。

 

思考力問題、総合問題、融合問題、いろんな呼び方がありますが、私は「プログラミング問題」と呼びたいと思います。

「手順を分解して」

「ゴールを確認して」

「そこまでの筋道を考える」

これらはプログラミングを勉強する目的そのものだからです。

 

「数学なんて勉強してどうするの?」この答えが見つかると思います。

数学は公式を覚える教科ではありません。ひたすら計算する教科でもありません。どちらも大人になって使わなくてなるものです。しかし数学を勉強することで、筋道を考える能力は得られます。そこに工夫を入れることで、仕事にも趣味にも使える一生モノの能力になります。

 

ぜひ偏差値60を目指すだけでなく、一生モノの能力を手に入れるつもりで取り組んでください。今回の単元をマスターすることで、受験勉強の意味も変わってくることでしょう。あなたが中3受験生であれば、参考にしてもらえるとうれしいです。

 

実際の過去問で考えます。下の問題にチャレンジしてみましょう。

問題の中で新しいルールが登場します。まずは、そのルールを理解するところからはじめます。

 

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プログラミング問題をカンタンにする鉄則があります。

見たことないような問題が出ても、あわてずに考えましょう。

 

★鉄則1

説明文のルールを理解する

→何がどのように動くのか読み取る

 

★鉄則2

問題文の状態を図解する

→何がどのように動いたときを聞かれているのか、図を書いてみる

→図を利用して、解くための筋道を考える

 

 

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図形の規則性と似ていますね。

「これはどういうことかな?」「どうすれば解けるかな?」

この発想が必要です。

残念ながら必勝パターンや公式はないのですが、鉄則に沿って考えれば大丈夫です。

 

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★プログラミング問題のポイントあれこれです。

 

1 図形の規則性と何が違うの?

図形の規則性は、同じ図形が規則正しく並んでいるので

「数がどう増えているの?」だけを考えればOKだったけど…

図形が並んでいないときは、しょうがないので問題文の通りに図を書いてみよう。

これさえできれば

「なんだ、そういうことね!」

 

2 問題は解けるようにできている

受験問題では、今まで見たことのないような問題も出てくるよ。

問題を作る人は、過去問と同じような内容でも、受験生をびっくりさせるつもりで作っているだけ。落ち着いて考えよう。

 

3 キーボードを打つことがプログラミングではない⁉︎

プログラムっていうのは「手順書」のこと。自分で手順を考えて解くことが必要な問題を、今回は「プログラミング問題」と呼んでいるよ。

受験参考書では「思考力問題」「総合問題」「融合問題」と、いろいろ呼び方があるけど全部一緒。どれもこれも

「自分で図解する」

「自分で解き方を考える」これができるようにしよう。

 

4 解くための流れはこんな感じ…

【説明文「このロボットはこんな風に動きます」】

→【「こんな風」ってどんなルール?自分で図を書いてみよう】

→【問題文「このロボットを動かすと結局どうなりますか?】

→【ルール通りに動くと、最後はどうなるか図を書いてみよう】

  これが本当のプログラム。

 

数学の問題では

【ルールを理解する】

→【自分なりに理解する】

→【何を求めるのか理解する】

→【どうすれば求められるのか工夫して考える】

  この順序で考えてみよう。

 

5 できれば近道を考えて解いてほしいけど…

意外と、チカラ技で図を書きまくれば解ける問題も多いよ。

時間がないときは、どのくらいの数ならピッタリになりそうか考えてもOK!

難しい問題でも、答えだけを書く問題なら空欄NG!当てるつもりで書こう。

【空欄のまま】

  <【デタラメな数を書く】

    <【それっぽい数を書く】

      <【筋道を考えて工夫して解く】

 

どの偏差値を目標にするにも、図解がキーワードです。

図を書いて考えることを意識します。

 

今回までのシリーズで、数学の偏差値を60以上にするためのテクニックを紹介しました。

各回で紹介した鉄則は「どのように図解するか」をまとめたものです。

ぜひ、できることをひとつずつ増やして、数学の成績を伸ばしてもらいたいと思います。

 

今回紹介した過去問以外にも、良問はたくさんあります。チャレンジしてみましょう。

こちらを参考にしてみてください。


文章題もグラフも図解でズバリ! 偏差値60への中学数学 (YELL books)

 

もしあなたが高校受験生なら、将来どんな仕事で活躍するでしょうか。

たくさんの種類の仕事があります。

 

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どんな仕事でも

「ルールを理解する」「筋道を考えて工夫する」が必要です。

これができなければ、新しいルールをつくるどころか、今あるルールを守る仕事も難しいですね…

でも、まだまだ時間はあるから大丈夫。

 

どうすればあなたのやりたいことを発見して、実現できるのか考えましょう。

それもまた「プログラミング問題」です。頑張ってください!