全国の高校入試数学から良問を紹介しています。
シリーズで各都道府県の何度も考えてほしい問題を解いてきましたが、今回が最終回です。番外編では「プログラミング問題」をテーマに扱ってきましたが、岐阜県の過去問を考えてみましょう。
偏差値60以上を目指すためには、見たことがないような問題を攻略できることが必要です。ここであわてずにじっくり考えて解けるようになるといいですね。
いかにもプログラミング的な雰囲気ですが、私が紹介する問題では、プログラミング問題はロボットを動かす意味ではありません。ルールを理解して、筋道を考える問題として紹介したいと思います。
まずは、説明文のルールを理解することに集中しましょう。 せっかく「こんな感じで動くよ」と図も与えられているので、説明と図をつなげて理解することがポイントですね。
鉄則がありますので、順番に考えましょう。
ロボットの動きを図にしてみると「なんだ、そういうことね」とスッキリわかると思います。ここで「え、これだけ?」と感じるくらいだと一気に気持ち的にラクになりますね。大切なことは、自分で1回書いてみることです。
(2)からは、図形の性質や割り切れる整数なども考えるのでちょっと難しく感じるかもしれないですね。ここでも図を書いて、問題文の状態はどういう状態なの?と考えてみましょう。
(2)を解きながら「あ、割り切れると正〇角形になるんだね」とわかると、(3)以降も解きやすいですね。高校数学になると、このような誘導問題が増えますので、高校受験の勉強を通じて「この問題はなんであるのかな?」「この問題を使って次も解くのかな」と考えてみましょう。
(3)以降は、図を書いて解くための筋道を考えます。
シリーズで偏差値60以上を目指すための良問を紹介してきました。高校受験では見たことあるようなテッパンの問題だけではなく、見たことがないような問題も出題して受験生どうしで差がつくようにしています。
少し脱線しますが、高校入試問題を作成する立場から考えると、見たことがないような問題を出題するのは別な理由もあります。それが将来必要な力になるからです。
実際に仕事をするようになると、教科書もありませんし、先生が教えてくれるわけではありません。やったことがない仕事もどんどん増えますし、転職すると生活も仕事内容もガラッと変わります。教えてくれる人もいなくて、自分でなんとかしなければならないことも多いはずです。誰もやったことがない仕事や趣味にチャレンジするかもしれません。
これを楽しめるかどうかです。
楽しむためには、自分でルール(やっていいこと、ダメなこと)を理解して、どうすれば達成できるか筋道を考えて動くことが必要です。
せっかく数学を勉強するので、公式を覚えたり、解き方を丸暗記するだけでなく、解けるようになる筋道を楽しめるレベルまで頑張りましょう。ここまでできるようになると「数学なんて勉強してどうすんの?」なんて疑問は出てこなくなります。
全18回で中学数学の総復習、高校受験対策を紹介しました。
問題や解説は私の著書からの引用です。参考にしてもらえるとうれしいです。
文章題もグラフも図解でズバリ! 偏差値60への中学数学 (YELL books)