中学受験、特に公立中高一貫校を受験するにあたり、対策が難しいのが面接です。なかなか情報が出回らないので
「どんな流れで面接するの?」
「何を聞かれるの?」
「どう答えればいいの?」
このような疑問を持つご家庭も多いと思います。
今回の記事では、公立中高一貫校を目指すにあたって必要な準備について解説します。その地域の受験スタイルがあるので、当てはまらない箇所もあると思いますが
・長女が宇都宮東高校附属中学校に独学で合格
・私自身が学習塾部門に3年間在籍
これらの経験から、紹介しますので必要な部分を参考にしていただけると幸いです。
面接の対策は難しい
面接の対策が難しい理由はいくつかありますが
・過去問に載っていない
・何を準備をしたらいいのかわからない
・どこまで仕上げたらいいのかわからない
の3点に尽きるのではないでしょうか。特に、学習塾や(中学受験専門の)家庭教師を使わないとなると、適性検査や作文よりも対策が難しいと思います。
長女は学習塾など利用せず、通っていた小学校で受験するのもウチだけ…みたいな環境でしたので、情報収集は苦労しました。なるべく参考にしていただけるように、考え方や面接本番の中身を紹介します。
(私が勤めていた学習塾は、高校受験、大学受験の対策が中心だったり、エリア的に離れていたので、情報収集は普通に苦労しました…)
面接で良い結果を出すポイント
栃木県立のケースですが、合格すると受験結果(ABC 判定)を確認することができます。
・適性検査は実際に何点だったかわかります。
・面接はABC評価
・作文はABC評価
みたいな感じで、適性検査以外はざっくり評価ですが、聞いている限り、面接が C 評価で入学している生徒はいないんじゃないかな?
適性検査が平均ギリギリで合格することはあっても、面接は必ずA評価かB評価です。ちなみに作文は、ルールを守って、聞かれていることに答えていれば、C評価にはならないでしょう。
あくまで長女経由のヒアリングなので、まったく裏付けはありません。しかし何においても主体性を求められる公立中高一貫校で、入口である面接はかなり重視しているのではないかと読んでいます。
どのように答えるか、を練習する
公立中高一貫校に入学すると、ずっとプレゼンスキル(説明する力、紹介する力)が問われます。
何かイベントをするにしても
「事前に内容をきちんとまとめる」
〜「イベント本番は楽しい」
〜「終わった内容をまとめる」
〜「みんなの前で発表する」
この論理的な作業の繰り返しです。授業だけでなく、いつも何かしらの発表原稿を考えているイメージです。学習塾で勤めていた経験を振り返っても、一般的な公立中学校はここまでやらないですね。
イベントによっては「発表原稿に必ず英語を入れなければならない」というルールもありました。冒頭の挨拶でサクッと入れるグループ、クイズを英語で出題するグループ、入れやすいところに組み込むグループ、ゴチャゴチャあったようです。
それでも楽しそうに取り組んでいるんだから、先生のリードも良いのでしょう。
前置きが長くなりましたが、公立中高一貫校を目指すなら
「間違えても構わないから、自信を持って答える」
これができた方がいいです。これは入学してからも相当影響します。自信を持って何をどう表現するのか、ここを面接対策でも力を入れたいところです。
・聞いた面接官の目を見る
・初めて会った人にも動じずに言える
・静寂に振り回されず、きちんと考えてから答える
大人でも難しいポイントですが、焦って自滅することがないようにしましょう。
普段から見知らぬ人にも挨拶したり、元気に振る舞うことがいかに大切か思い知らされます。
適性検査と作文は過去問を繰り返してどうにかなっても、内申点と面接は受験対策の突貫工事ではボロが出ます。悲観することはないですが、計画的に対策しましょう。
練習方法は以下でも紹介しますが、親御さんも一緒になって(楽しく!)ロールプレイングを何回も繰り返しましょう。
ある程度スラスラ言えるようになったら、録画してセルフチェックがおすすめです。自覚すると修正も早いですよ。
具体的に答える練習をする
面接でのふんわり回答は良い印象を与えません。印象にも残りません。
「部活も勉強も頑張りたいです」
「リーダーシップを育成する理念に共感しました」
「6年間かけて難関大学を大学受験を目指します」
これらは全受験生が言える回答です。
数秒の考える時間があっても構わないので、焦らずなるべく具体的に答えたいところです。
良いことを言おうと無理をすると、明らかに表情や言葉に無理が出てくるので、背伸びはNGですね。しっかりと考えてから、具体的な考えや取り組みを盛り込むことを意識しましょう。
「野球部の練習をしっかりこなしながら、予習を大事に頑張ります」
「リーダーシップを学ぶために、行事には積極的に関わります」
「英語を使った仕事を目指して、大学受験を考えています」
あくまで一例ですが、上記のように一言を加えるだけでかなり具体的になります。
具体的に答えられないということは、本心とかけ離れているはずです。本当に頑張ったこと、本当にやりたいこと、本当に今考えていること、を言葉で表現できるようにしましょう。
練習でおすすめの質問例
面接本番で困らないように、回答の引き出しを増やすための質問を紹介します。
「公立中高一貫校ではこのような質問が出ますよ」
ということではありません。あらかじめ考えておくと、練習とはまったく違うことを質問されても応用して答えやすくなると思います。
・あなたが大切にしていること
(なぜそう思っているのか)
・何でもいいから、自分で才能があると思っていること
(そう思ったきっかけは何なのか)
・情熱を傾けられること
(何がそれほど燃えるのか)
・学校の勉強以外で興味があること
(なぜ興味があるのか)
・影響を受けた本
(どのように影響を受けたのか)
・感謝している人、あなたが成長できた言葉
(どのように影響を受けたのか)
・尊敬する人とその理由(上と重複してもOK!)
(どのように影響を受けたのか)
・小学校生活でもっとも印象に残っていること
(なぜ残っているのか)
・小学校生活でもっとも頑張ったこと
(どういう気持ちになったから一番なのか)
・入学したら楽しみなこと
・学校行事にどのように関わりたいと思っているのか
・どうすれば社会はもっと良くなると思うか
いかがでしょうか。
面接本番の質問を予想するよりも、お子さんの軸、根元にある部分をしっかりまとめておくようにしましょう。
面接本番と質問内容
受験する公立中高一貫校の理念や過去事例によって、かなり内容が変わるとは思いますが、参考までに宇都宮東高校附属中学校の受験で、長女が受験した際の事例を紹介します。
面接官2名と受験生6名
受験番号によって増減はありますが、だいたい面接官2名と受験生6名の組み合わせで、グループ面接を行います。前半は1人ずつ順番に答えるので、ペースを掴みやすいですが、後半は挙手制です。
・最初の方が答えやすい
・最後の方になるのは避けたい…
・誰かの次の方がリズムをつくりやすい
・誰かと内容が重複するとやりにくい…
挙手制への対応ですが、このように個人差が大きいと思います。お子さんのキャラクターによって、ある程度の作戦は決めておきましょう。早ければいいってことではないので「自然に」挙手して答えることが重要です。
早い or 遅い、ではなく、リズムが大切です。
質問内容
長女が面接を受けたケースではありますが、実際に聞かれた質問を紹介します。
・志望理由
・小学校生活で印象に残ったこと
・入学したら挑戦したいこと
・思い出に残っている理科実験
最後の質問は、なかなかの切り口だと思います。実験への関わり方も知ることができるし、自然と「なぜ」を言わなければならないような質問です。受験生にとっては、完全に想定外の質問だったと思います。
ちなみに、模試を受けただけの学習塾では「リーダーシップに関する質問が必ずありますよ」と教わりましたが、この年度に関しては(または、長女のグループ面接では)ありませんでした。
・リーダーシップを発揮するために大切なことは何だと思いますか?
・あなたが〇〇のリーダーだとしたら、どういうことをやってみたいですか?
このような質問にも対応できるようにすると安心でしょう。
まとめ
学習塾を使わない、いわゆる【親塾】で面接対策を行うのは、思っているより難しく感じるのではないでしょうか。
・親子だと照れてしまう
・親御さんが何か指摘しても素直に聞かない
・親御さんがゴールイメージを持っていない
このようなハードルがありますが、上記に紹介したような質問に対して、お子さん自身も、聞いている親御さんも納得できることが大切です。まずはそこまで頑張りましょう。
その他補足ですが
・録画してお子さん自身が振り返るのは、本当に効果が高い
・決して親御さんの方が熱くならず「面接練習って楽しい」という雰囲気を出す
・なかなか苦戦する可能性もあるので、本番の半年前には一連の流れでやってみる
このあたりもポイントです。
もちろん合否も大切ですが、面接練習を通してたくさんの得るものがあることを期待します。最後までお読みいただき、ありがとうございました。