長女が宇東府中に挑戦したときの受験体験記、合格体験記を紹介していますが、今回の記事では参考書選びをテーマにします。
長女の受験勉強に関わったり、学習塾の教室長としての体験をもとにして、私が考える受験準備、特に公立中高一貫校対策をまとめます。中学受験や高校受験を控えるご家庭や教育に関心のある方に、何かしら興味を持っていただけると幸いです。
参考書の選び方と買い方
今回は参考書選びですが、独学で受験を目指すご家庭や、家庭教師をメインに受験対策するご家庭にとっては、どの教材で受験勉強をするのかは死活問題です。家庭教師での受験対策を考えている際は、かなり早めに(2年前くらいには)どの教材を選ぶのか、先生と一緒に選ぶのがオススメです。
私は正直なところ、長女が合格してもしなくても別にいいかな…と思っていました。不合格でも構わないってことではなくて、ちゃんと努力すれば将来的な学力になると思ったからです。ただ、無駄な努力というか遠回りをさせるのは避けたかったので、参考書選びだけは私がリードしながら進めました。
学校や学習塾で配布されるテキストを、きちんと消化することが前提ですが、さらに補助テキストを買うのであれば、ポイントは3つだけです。
・2冊に絞る
・1冊は過去問、1冊はテーマ別問題集
・半年で2周できる薄さ
あれこれやるより良問を繰り返した方が、確実に力は付きます。よほどの難関校を受けるのでなければ、難問奇問が集まっている問題集は避けるべきです。
良い参考書の条件は以下の3通りです。
良い参考書の条件①
ちょっとやさしいレベルでもいいので、解説がしっかり丁寧な問題集がベストですね。解答に対する解説だけでなく、問題に対する解説も丁寧、がポイントです。
「この問題、このページの問題を解くことで、どんな力が付きますよ」と目的がはっきりしているかどうか確認しましょう。ひどい手抜きテキストは、ほとんど問題集としての機能しかなくて、使い方とか書いてません。これではドリルと一緒です。
適性検査は、手を動かして考えることが大切ですが、ドリルをこなせる的な能力よりは、読解力と思考力が勝敗を分けます。考える筋道を習得できるかどうか、見極めましょう。
良い参考書の条件②
本人が解答の解説ページを、ひとりで理解できることも最低限必要です。
ひとりで理解できないと相当ストレスになるはずです。誰かが近くでサポートしなければならないと、まったく受験勉強がスムーズに進みません。お子さんはお子さんで、いろいろな都合で受験勉強のリズムは狂ってしまいます。体調管理も必要ですし、気分が乗らない時期もあるでしょう。
しかしそれ以上に、親の方が予定通りに毎日が進まないと思います。仕事がどうこう、近所でどうこう、夫婦喧嘩だってあるでしょう。
どうしても寄り添えない場面は多いです。しかも1年以上もかけて走るわけですから、ひとりでも理解しながら進められることが大切です。
良い参考書の条件③
弁当箱のように詰め込まれていない方がいいです。
問題を解くページの前に、重要項目のまとめページがありますが、実はあってもなくてもいいページです。それよりは「この単元は教科書のあのへんに書いてたな」と思い出して調べられることの方がはるかに大切です。まとめページは教科書にもありますし、学校の先生もプリントなど駆使すれば大丈夫でしょう。
大人になると、ゴチャゴチャの資料をひとつにまとめたくなりますが、個人的には重要事項が、教科書にも、ノートにも、プリントにも、参考書にも、何にでも散らばっていると、その場所を思い出せなくなります。
ということで、まるでこの1冊があれば教科書の内容を網羅できます、と言わんばかりの参考書はゴチャゴチャしていることが多いのでオススメできません。
繰り返しですが、参考書はコンセプトがはっきりしていることが大切です。それがよくわからない参考書は、どう使えばいいのかわからないので避けた方がいいです。
私の経験上、30才以降に調理師、キャリアコンサルタント、日商簿記2級、FP2級、数検2級など、同じ考え方で全部独学で一発合格してきました。特別に高難度の資格試験ではありませんが、それなりに多忙で3人の父親をしながら対策してきました。受験も資格試験も基本的な考え方は一緒でしょう。
・2冊に絞る
・1冊は過去問、1冊はテーマ別問題集
・半年で2周できる薄さ
まずはこれです。参考にしていただけると幸いです。