学習塾教室長の目線からどのように参考書を活用するべきか、アドバイスしたいと思います。毎年受験直前になると聞く話ですが、生徒や保護者の方が自宅でキレイに並べられた本棚を見て
「あれ、この参考書って何だっけ?」
「この問題集、ほとんど新品じゃん」
みたいなことがよくあるようです。
これは本当にもったいないですね。
もったいない、だけならまだいいですが
「あれもやってない」
「これもやってない」
と心配、ソワソワしてしまったら、見なかった方がいいくらいです。さらに「あーぁ、こんなに買ってもしょうがなかったな…」と哀愁漂ってしまったら、精神的ダメージが非常に大きいです。
学習塾であれば戦略的に、全部のテキストを全ページ使うわけではないのでいいのですが、独学スタイルだったり「塾+マイ問題集」みたいな頑張り方をしている受験生は「消化不良」を避けるようにしましょう。
私が見る限り「塾+マイ問題集」で受験勉強している生徒が一番多いですね。「塾のテキストだけじゃ不安なの?」と勇気を出して聞いたことがあるのですが、ちょっとした合間に開いてみたり、やっぱり自分好みのお気に入りが欲しいようですね。
いくつかの参考書を併用してもOKですが、なんと言っても、やり残しになってしまうのは精神的に良くないです。「ぜーんぶ、やりきったーっ!」という状態で受験を迎えるためのポイントは2つだけです。
①参考書、問題集を買いすぎない
本番1ヶ月前までに2周終わらせるボリュームにしましょう。1教科につき、過去問1冊とテーマ別1冊の合計2冊、これで充分足りると思っています。保護者の方がどんどん買い与えるご家庭だとオーバーフローになりやすいので注意です。本人が「どうしても欲しい!」と言うまで我慢させてもいいくらいです。
もし、直前期になっても確実に消化しきれない問題集があったら、しまった方がいいですね。後輩にあげてもいいくらいです。たくさん飾ってテンション上がるのは最初だけです。このあたりは大人もまったく一緒ですよね。
②解答を見ながらでも全部解く
全部やりきるのが理想ですが、時間がなかったり、難しかったりしたら、解説ページを見ながらどんどん書いてしまうことです。まさに「処理する」イメージですが、理解してるかどうかより、やりきった感やリズムを優先します。
さすがにこのやり方では、大学入試、資格試験は戦えませんが「どうせ手が動かないなら」丸写しでガンガン書いた方がマシです。アタマに入ったかどうかは別問題ですが「なんかコツがわかったかも…」と思い込んでくれたら充分です。これなら誰でもできる勉強法なので、実はこっそりオススメです。
参考にしていただけると幸いです。