平成31年度(2019年度)栃木県立入試 数学

平成31年3月に行われた栃木県の高校入試問題、数学について解説します。私は栃木県の学習塾で教室長を勤めていますので、地元の県立入試が前提ですが、多くの内容が他県でも通用すると思いますので参考にしてくれたらうれしいです。

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今回は、試験開始直後に問題冊子をパラパラめくる生徒だったら「ん!」と思ったかもしれません。初登場の問題がありました。初登場と言っても、それほど難しくない資料の活用だったので、落ち着いてよく見ると「なーんだ」となったのではないでしょうか。


大問3は例年「方程式の文章題」や「文字を使った証明」です。カンタンに言えば、文章の通りにイコールの関係をつくる問題です。何パターンか練習すれば充分に対応できますね。
今回初めて資料を読み取り、そうなる理由を説明する問題が入りました。ちょっと大学入試改革、共通テストを意識してるっぽい内容で面白いですね。慣れてる生徒からすればカンタンすぎて、逆に「えっこれだけ?」と心配になるくらいの難易度でした。


大問1はいつも通りですが、ここに確率がちょこっと入りました。個人的には確率は図形と絡めて大問にした方がいいと思います。思考力を試せますね。

偏差値50に届いていないのであれば、まずは大問1で30点以上を目指すべきです。平均点50点台の入試問題です。カンタンな問題を落としている場合ではありません。


大問2は「作図」「文字を使う証明」「グラフの活用」です。今回はここに「文字を使う証明」が入ったのですが穴埋めだったので、かなり解きやすかったのではないでしょうか。相変わらず作図はいい問題が出ます。作図は中1でしか教わらないので、中3夏休みでしっかり得意な問題にすることが大切です。


大問4の相似の証明は、いつになくカンタンでしたね。角度のたし算ひき算が不要なので、数学が得意な生徒は変な減点を喰らわないように集中したと思います。


大問4(2)は毎年勝負ですね。ここの難易度の上下が大きいので、飛ばすか飛ばさないかの判断が重要です。今回は立体図形が与えられて、長さを求める問題でした。難易度も計算量も例年通りだったので、見たことある生徒は有利でした。


大問5の一次関数は、どこかのコピペじゃないかと心配するくらいテッパンでした。道のりと時間のグラフがあり、傾きが速さになる問題なので、塾ではかなり練習した問題ではないでしょうか。
会話文にするとか、データ読み取り型の関数にするとか、何か今風なアレンジがあってもいいですね。


大問6の規則性もいつも通りです。
同じ図形がたくさん並ぶ系の規則性ですが、栃木県の場合は1個、2個、3個、と順番に増えていくわけではなくて、いきなり何個か並んだ状態からスタートするのが相変わらず難しいですね。
どうしても目標偏差値が60以下だと、大問6の後半は「手を付けるべきではない問題」になってしまうのでもったいないです。


全体的な難易度は例年通りでしょう。大問構成が変わらないので、平均点も変わらないと思いますね。だいたい生徒指導をしていると、大問1から3までを完答して、大問4か5の得意な方を完答すれば偏差値60まで伸びます。それ以上の高校を狙うならまた別な戦略ですが、数学の点数は安定させやすいので、焦らず順番を考えて大問をひとつずつ得意にしていきましょう。

参考にしていただけると幸いです。

 

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