平成31年度(2019年度)栃木県立入試【英語は数年後に向けての準備を感じますね】

栃木県の県立入試、英語の解説と対策を紹介します。学習塾教室長としての専門的な視点も入れながら、個人的な分析や対策をまとめます。受験生やこの先受験を迎えるご家庭に貢献できれば幸いです。

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相変わらず大問構成は変わらないので、時間配分や解き方のコツは過去問を使った練習通りで対応できたはずです。


大問1 リスニングは配点30点、時間にして10分以上のボリュームなので、とにかく取りこぼしがないことが大事ですね。市販されている過去問CDより本番の方が早口に感じる、という声を何回も聞いたことがあるので練習時は注意です。


将来的には、大学入試のように、アメリカ英語以外の外国人やベタベタな日本人が絡む英会話など入ってくるかもしれないですね。


大問2 内容的には安定しています。個人的にはなくてもいい大問だと考えていますが、いろんな単元の文法をひとまとめに出題するので、受験勉強として役に立つ問題です。

過去問を解くときに

「これって何の問題?」「時制の問題」

という確認を繰り返すだけでも、英語力は上がりますね。これだけを集めた問題集がほしいくらいです。これに関してはいろんな方と意見が合います。


大問3 会話文です。英語が苦手な生徒はこのあたりから具合が悪くなりますね。模試でも時間が余ってしょうがない生徒がチラホラ出てきます。

・注釈に出てくる日本語訳

・どっちが会話の主導権を握っているのか

さえ把握できればなんとか雰囲気は掴めます。今年はアヤコさんがガンガン質問しているので、何を聞いているのか察することができればOKです。
慣れている生徒は、後半に時間を確保したいのでノンストップで仕上げたい大問です。


大問4 英作文は毎年のように細かい変更がありますが、ほとんど得点には影響がないレベルですね。今年の「なぜそれを選んだのか理由まで説明させる」っていうスタイルは最近の流れに乗っていて面白いです。


県によっては、この大問2~4くらいまでをまとめてひとつの大問にするところもあるので、それくらい思い切ってもいいのではないでしょうか。英語はもともと二極化しやすい教科なので、意外と平均点は変わらないと思います。


大問5 大問6とどっちを先に手を付けるか悩むかもしれません。ここも注釈を見て、カンタンに読めそうな方から解きはじめるのが鉄則です。

・注釈を先に読む
・話が変化するから段落が変わる
・最初か最後に主張や結論がある
・設問に目を通してから読む

と対策はほとんど国語と変わりませんが、わからない単語にハマらずに全体の話の流れを掴めるかどうか問われますね。
学習塾で教わっている生徒は、スラッシュリーディングやアンダーラインを引きながら読む特訓をしていると思います。手を動かす、というよりはリズムが崩れないように読みましょう。


大問6 クモの糸についての話だったので、その仕組みをちょっとでも知っている生徒にとってはかなり有利だったでしょう。そういう意味では、完全オリジナルストーリーの大問5より読みやすい、解きやすいとも言えます。

「クモは好きですか?」

と最初も最後も聞いてくるので

「どうせクモの凄さを主張するんでしょ?」

と、先にメドをつけてから読めるとかなりラクですね。


英語も難易度は変化なしです。
しかし、2年後の指導要領改訂、教科書改訂に合わせてどのように変化するのか一番注目しなければならない教科です。
国語力が低下している現状で、ますます英語力の二極化が進むだろうな、と考えなくてもわかります。英単語力を伸ばすのではなく、4技能をスムーズに吸収できるアタマにすることが重要です。環境を整える教える側もチャレンジですね。

 

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