学力とか学歴って何?

学歴って何ですか?

これは塾の生徒に聞かれるとなかなか困る質問のひとつです。大事だけど、当然それが全部じゃないし、実際の社会ではあまりアテならないって感じなので、ただの飾りみたいなものかもしれません。

 

しかし、ただの飾りだとしても、企業に就職するときには、履歴書に学歴を書きますし、面接でも話題になるでしょう。なぜなのか、私なりの考えを書いてみたいのですが、企業の採用担当者の言葉がヒントになります。

 

採用担当者に聞いてみると、確かに転職のときは学力、学歴よりは前職までのキャリア(仕事上の経験、仕事以外の経験)が重視されます。

・どういう資格を持っているのか

・どういう経験を積んできたのか

・どういう姿勢で仕事に向き合っているのか

・どのように会社に貢献したのか

を応募書類と面接を通じて確認します。新卒の採用では、このキャリアの把握ができません。多くの場合、社会人経験がないからです。

じゃ、どうするか?

 

学力は総合力、という考え方があります。

・目標を決める力

・それを達成する意欲

・家族も含めて周りの環境

・学校生活を経て得られた経験

・これらを実現する基礎体力

などを客観的に判断する材料にはできるようです。面接担当者の立場で考えてみれば、総合力があれば上に推薦しやすい、という感情的な理由もあるでしょう。

 

一方、全然気にしないという企業、担当者もいますし、極端な例では「どうせ入社したら化けるからどうでもいい」という考え方もあります。

 

私自身が指導する際は

「将来が...」とか

「履歴書って一生残るよ...」

とか言ってましたが、徐々に「今やるべきことにハマるのが大事だよ」って考え方や発言が変化してきました。私大では主流になった AO入試もそんな流れかもしれません。実際に何かに突出した生徒は結果的に活躍しやすいようです。

 

学力、学歴がすべてではないですが、だいたいその人の総合力を知る材料になります。これは客観的に採用判断をしなければならない立場になれば、納得性が高いです。

企業の採用担当者としては、勉強にハマったように、仕事にもハマってくれれば言うことないですからね。その会社自体にぞっこんハマってくれたら、もう最高です。ほっといても成長して会社に貢献します。

  

私達大人は「ハマれる環境」「ハマれるチャンス」をいかに提供するか、が課題ですね。環境とチャンスがあれば、生徒は勝手に何かにハマって総合力が上がります。結果的に学力も上がります。

 

多少不器用でも、遠回りでも、何かに夢中になっている生徒はとても印象に残っています。やはり「ハマる姿」には若さと情熱を感じます。彼ら彼女から受けた刺激は忘れないでいたいものですね。