定期テストの過去問は必要?【作成者の気持ちを考えよう】

学習塾教室長の経験と教材作成を行っている立場から、受験生や数年後に控えているご家庭に貢献できるアドバイスを送りたいと思います。

 

現在は、来年度に自社で活用する定期テスト対策を作成しています。すでに通塾してくれている生徒はもちろん、その友達にも配ったりして役に立つことを願っています。今年度は「予想問題」というタイトルにして、なるべくキャッチーで使えそうなイメージづくりを狙っていましたが、来年度は「定期テストリハーサル」みたいな打ち出し方を考えています。

コンセプトや目的は一緒なんですけどね。

 

教材作成を担当していると、過去問をどうしようか扱いに結構悩みます。定期テストに関しては、学校ごとのカラーがかなり出てくるので、各校共通のテキストを作るのはなかなか難しいです。市販のテキストを見ても中身はテッパンの良問ばかりなので、こちらを2周やってもらえれば確実に平均点は超えるのではないでしょうか。

 

そういうわけで、私が作る定期テスト対策って何のため?と目的がかなり重要です。過去問はしょせん過去問なので、二度と出ないでしょうし、別のプリントでも充分に定期テスト対策になることでしょう。

 

私が思う過去問の意味って

①実際に必要なスピードがわかる

②実際に出題された問題なので、緊張感がある

③作った先生の気持ちがわかる

かなって思っています。

 

この中でも私が大事に思うのは「先生の気持ち(狙い)を考えるきっかけになる」です。これは私自身も問題を研究する際にかなり気にしています。

 

学校の先生だって、テスト後を見据えて

「この問題は全員にできてほしいな」

「このくらいの難しさなら平均60点くらいかな」

「これくらいの英作文も入れて、差がつくようにしておけば通信簿つけるのがラクだな」

 

いろいろな狙いがあると思うので、解く方も

「おっ、プリント通りの問題じゃん」

「なんでイギリスについての問題を入れたんだろう」

「せっかく勉強した反比例のグラフがないな」

と考えると、過去問に挑戦する意味があります。

 

多くの中学校では、テストの結果を返して内容の解説をしてくれると思います。問題を作る人の気持ちはこのときしか聞けないので、ボソッと言った「この問題は意外とみんなできてなかったね」「ここはこんな風にしても解けるね」までちゃんと聞くべきですね。よく受験業界では「問題作成者と対話しろ」と気持ち悪いことを言いますが、そういうことだと思います。

 

問題を作成する先生の狙いを考えながら解く習慣があれば、いざ受験対策をするときに、過去問研究がラクなりますね。私立高校だと顕著ですが「この学校は何ができる生徒に来てほしいんだろう」と出題する狙いが読み取れるので、受験勉強で対策を絞れます。