学習塾教室長の目線で、学力向上のヒントをいろいろ書きたいと思います。塾での過ごし方とはまったく別ですが、勉強と料理の関係、特に、数学と料理の関係を考えてみます。
私の別ブログでも「学校で教わることも大事だけど、家の手伝いできますか?」とよく問題提起しています。学習塾に関わっていてこういう発信をするのは珍しいと自覚していますが、家のこと、お母さんの手伝いがちゃんとできないのに、成績が上がるはずがないと実感していますし、持論です。
毎年、小学6年生と中学3年生を対象に行われる全国学力調査では、家庭学習や生活リズムに関するアンケート項目があります。
家庭学習時間が長かったり、塾に通っていたりすると点数が高いという「そりゃそうでしょ」という相関関係の結果が出ていますが、個人的には
・家の手伝いを積極的にしていますか
・家の中で担当している家事がありますか
があってもいいと思っています。
もっと個人的には
・ひとりで料理を作れますか
・ひとりで生活用品の買い物ができますか
まで入れてもいいのではないでしょうか。
残念ながら大きなデータがないので、確信的なことは書けないのですが、結果は予想できます。
家の手伝いについての調査結果は
「こっちが高くてこっちも高い」
というような相関関係ではなく
「こっちが高いからこっちも高い」
といった因果関係があると考えます。
つまり、家の手伝いは学力に直結するだろうということです。それくらい
・手を動かしながら考える
・ひとつひとつの動作の意味を考える
ことにつながります。
保護者面談などで提案するときは、料理の例、わかりやすくカレーの話をすることが多いです。カレールーの箱の裏にカレーの作り方まで書いてあります。極論ですが、作り方を見ながらカレーを作れるかどうかが学力の差になります。作り方を見ながらカレーが作れないようでは、まず数学力は上がりません。
炒めたり、煮込んだりのたった4つくらいのステップです。
・周りを片付けてから
・食材の分量を確認しながら出して
・書いてある通りに炒めて
・書いてある通りに水を入れて
・灰汁を取りながら煮込んで
・火を止めてルーを入れて
・煮込んで
とやることはまずまずあります。
このステップの中で
・集中できる環境をつくる!
・数字や単位を正確に読み取る!
・手順を正確に読み取る!
・どこがポイントなのか読み取る!
・書いてある通りに手を動かす!
・手順はある程度暗記して何度も見ない!
・なぜこの順番なのか考える!
などなど数学のトレーニングをするときに大切なものばかりです。
勉強や受験の先に待っている仕事や趣味にも必要な力ですね。多くの大人が実感するところでしょう。
もし学習塾を検討しているようでしたら、ぜひ生活リズムが崩れないように注意しましょう。キチキチのスケジュールで塾の予定を詰め込むのは本当にオススメできません。少しは家のことにも関わらないと、成績が伸びないどころか、将来誰かに貢献できる大人になれるかどうか考えた方がいいですね。
一所懸命机に向かうことも大事ですが「学力は総合力」いろんなことがちゃんとできるようにしたいものです。