学習塾教室長の目線で、苦手教科をどのようにクリアするのかアドバイスしたいと思います。特に今回の内容は、算数や数学がなかなか伸びなくて、困っているご家庭で参考にしていただけるヒントになれば嬉しいですね。
数学と料理の関係で考えてみましょう。私は13年以上チェーンレストランで勤めていましたが、この経験をもとに表現したいと思います。
例えば、家でも仕事でもいいのですが、サラダを盛り付けるとします。
サラダを盛り付けるときに、ゆーっくり丁寧にやるとキレイに仕上がるかというと、だいたいダメです。盛り付けながら崩してしまったり、おっかなびっくり余計な手を動かしてしまいます。そもそも、盛り付けることが目的になってしまって
「キレイかなー?」
「美味しそうかなー?」
と考える余裕がありません。
逆にサササッと盛り付ける人は、意外としっかり出来上がります。ムダがなくて迷いがないと商品力が上がります。少ない手数で盛り付けちゃって、時間的に余裕があるので、見映えを気にする気持ち的な余裕も生まれます。
つまり、早さと商品力は比例する、ということです。
私がそのレストランに入社して、最初の頃は
「早く作れ!」
「キレイに作れ!」
と毎日のようにガンガン言われていました。
正直「どっちやねん」となんちゃって関西弁で心でつぶやいていたものです。
また、このレストランでは、ひとつひとつの料理の提供時間を計っていました。提供時間がかかってしまった日は、その分丁寧な料理が提供されていたかというと実際は逆です。
・誰かの作業が追いつかなくて雑になる
・早く完成してしまった料理は冷める
・食材が切れてしまってバタバタ仕込みながらの調理になってしまう
この因果関係に気づくのに、相当時間がかかりましたが、サラダの盛り付けと同様、早さと商品力は比例します。早く作ることとキレイに作ることはイコールというわけです。
話が数学にジャンプします。
早さと正確性の関係は、計算問題の解き方にも同じことが言えます。一見、丁寧に丁寧に解いている生徒は点数取りそうですが、全然そんなことありません。
計算問題をササッと解いちゃう生徒は、見てる方は「大丈夫かなー?」ってハラハラ心配させますが、点数取ってきます。迷いがなくて、余計な遠回りしないことと、自信があるからササッと解けるわけです。
「早さと正確性は両立する」で考えると、まずやってほしいのは
・最初の一手がスムーズに出るまで同じような問題をひたすら解きまくる
・「最初に何やるの?」と口頭だけのエア解答でも充分練習になるので繰り返す
・答えの丸写しでいいので、リズムよく解答を書くことを優先する
です。
学習塾でも同じことをさせますね。もちろん、解説してちゃんとアタマで理解してもらうことは大切ですが、先に身体に覚えさせる方が効果が高いです。正しい素振りをさせる学習塾は
「やった気になる」
ではなくて
「できることが増える」
となります。
丸写しは、正しい解答を書いて、理想のリズムを体感する目的であればメチャクチャにオススメです。この方法は、一生使えるので参考にしてみてください。