中1ギャップとは【算数苦手からの中1数学】

学習塾教室長の視点で、中学1年生の数学に関してポイントをアドバイスしたいと思います。算数や数学は苦手とかキライとか感じている生徒は多いですね。

当塾にも150名くらいの生徒が集まっていますが、例年8割以上の生徒が算数や数学を受講しています。個別指導塾なので受講教科数は1教科~3教科程度ですが、中学生の場合は数学を軸に「もう1教科をどうしようか?」という検討パターンが一番多いです。

 

 

私は「数学が一番苦手なので数学を受講したい」というご家庭であれば、もう1教科は二番目に苦手な教科ではなくて「一番好きな教科」を提案しています。そうしないと、週2回受講するとして、その2回とも苦痛の時間になってしまったら「塾に入って良かったな…」とはなりにくいかな、と考えているからです。さらに自習で塾に足を運ぶとはとても思えません。

 

別に売上のことを念頭に置いているわけではなくて、好きな教科であればさらに頑張ってくれて「塾に入ったらもっと好きになって、もっと点数が伸びた!」という最高のサイクルをつくりたいからです。俗に言う中学校入学時の「中1ギャップ」は、伸びている教科が1つでもあれば心配ありません。やる気や自信が落ちてしまうことが厄介なので、成功パターンを意識しましょう。

 

話を戻します。中学数学について、私が保護者面談や生徒面談のときに伝えていた内容をまとめたいと思います。お子様が中1のときには、保護者の方から

「算数から数学になってついていけるか心配です」

との相談を受けることが多いですね。

たまに、算数では

「図形だけ最初からスゴイできる」

みたいな生徒もいますが、多くの場合は急にできるようにも急にできなくなることもありません。

算数や数学の場合はここが難しいところです。
数字を、大きさや長さのように「ボリューム」として表すこともあれば、何番目のように「順番」を表すこともあります。


式になると、もうちょっとややこしくなります。
イコールを「計算した結果」として表すこともあれば、両辺が天秤のようなイメージで「バランスとれている状態」を表すこともあります。

・数字から意味を読み取ることを「読解力」

・言葉を数式にすることを「数訳力」

のように表現する場合がありますが、どちらも必要です。

「数訳力」をどう鍛えるかが先生、講師の悩みどころです。英訳と一緒で、そのままストレートに数式にするときもあれば、意訳して噛み砕いてから数式にすることもありますので教える際は工夫が必要です。


算数の段階でこのあたりに不安を抱えているなら、中1は最大のチャンスと言えるでしょう。なぜなら、中1数学はほとんど算数の延長だからです。ここで小学校でのボコボコ空いている穴を埋めながら、中学数学に慣れてくれれば充分取り返せます。

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ポイントは、わからなくなったら「思い切って1学年または2学年戻る」これに尽きます。

・文字を使った表し方

・文字を使った計算

・文章の読み取り

・イコールで結ぶ

・比例

・平面図形

・立体図形

・資料の読み方

これら中1で教わることは、ほとんど小学5年~小学6年で教わったことばかりです。さすがに2学年戻ると生徒の方も

「いやいや、先生、さすがに5年生の算数は余裕っすよ」

となりますが、だいたいは曖昧な理解だったりします。


ここでしっかり復習して、中1の内容までつなげれば一気に取り返せます。こんなに時間がかかることを中3になってからではやってられません。
早めの対処がオススメですね。学習塾を検討する際に、また学習塾の活用法として、参考にしていただけると幸いです。