私は学習塾教室長として働いています。主に高校受験を控えた中3生に向けて書いていますが、何かの参考になればうれしいです。
私の勤める個別指導塾には小学生から高校生まで150名くらいの生徒が集まっています。保護者面談や生徒面談を毎年3回くらい行いますが、進路について私が話すことはほとんど変わらないですね。
大きく分けると2パターンです。
①進路が決まっているパターン
②進路が決まってないパターン
当たり前と言えば当たり前ですが、この2パターンしかありません。どちらが良い悪いではなく、それぞれで必要な考え方があるのでアドバイスをしています。
①進路が決まっているパターン
「◇◇高校に行きたいです!」
「将来は◆◆の仕事がしたいです!」
と話してくれる生徒はやる気があったりなかったりのバラツキはあるにしろ、前向きに受験勉強に取り組んでいることが多いですね。保護者面談でも成績がさておき、子どもがやりたいことがあるってだけで安心するようです。
進路が決まっているのであれば、あとは目標となるような大人がいればいいですね。残念ながら今はいなくても焦らずに探せばいいことです。あなたの周りに目標となるような大人がいるなら、私からアドバイスすることはほとんどありません。
高校の選び方、大学の選び方くらいはアドバイスしますが、これはそれほど重要ではありません。
何かアドバイスするならひとつだけですね。
あなたが学校の先生を目指しているとしましょう。
「★★先生のようになりたい」
という目標があるなら、★★先生は
・先生だから目標にしているのではなくて
・先生でなくても目標にしたい何かがある
のではないでしょうか?
ここだけを改めて考えてもらえれば大丈夫です。
「どこに行くか」よりも
「どんな大人になるか」
の方が重要だということです。進路が途中で変わったり、ひょっとしたら夢が叶わなくても、自分で納得できる人生をつくれるはずです。
社長の跡を社長の息子が継ぐ、ということがよくあります。これだってしょうがないから息子に継いでいるわけではありません。
「社長は何をする人なのか」よりも
「社長とはどんな人なのか」を近くで見ているから、うまくバトンタッチしやすいわけです。
私自身の話だと、私は父親を尊敬しています。
やっている仕事はまったく違うのですが「どんな人」という部分はかなり近いんじゃないかな?と勝手に思っていますね。
「仕事なんてしたくないな」
と一度も思ったことがないですが、明らかに父親の影響です。私には子どもが3人いますが、やはり
「私が何をやっているか」よりも
「私はどんな大人」「私はどんな父親」
に見えているだろう、ということを意識しています。
きっとあなたの周りにも目標となる大人がいるはずです。何をやっているかではなく「どんな人なのか」に注目しましょう。
②進路が決まってないパターン
「将来の目標はありますか?」
「将来の夢はありますか?」
というアンケートがよくあります。毎年行われている全国学力調査でも質問項目にありますが、将来の目標があるかどうか、将来の夢があるかどうか、これらはほとんど点数に関係ありません。
この結果をどのように考えるかは人それぞれだと思います。
私は「目の前のことにハマれるかどうかで点数が決まる」と読んでいます。受験生で言えば「目の前の勉強にハマれるかどうか」ですね。
ハマっていればどうやって楽しく勉強しようか考えるようになります。
ハマっていれば思っていたよりも時間が早く過ぎるかもしれないですね。
もしかしたら周りの人達に
「目標は早く決めなきゃダメだよ」
「志望校まだ決まってないの?」
と言われるかもしれません。
それで決まるならいいです。
しかし、どうしても決まらない人にとっては
「好きな人がいないのに恋愛しなさい」
と言われているようなもんです。
悩むくらいなら、学校や塾の先生のアドバイスを素直に聞くといいでしょう。とりあえず偏差値がピッタリの高校を選んでもいいでしょう。このへんは恋愛とは違いますね。
気持ち半分だったり、無理矢理決めるくらいなら、将来の目標や夢は行った先で決めてもいいと思います。行き先は雲の上まで飛び上がってから決めるのもアリです。それよりは、目の前のことにハマることを考えましょう。
いつも目の前のことにハマって集中して向き合える人は、仕事をすることになっても大丈夫ですね。いつも「どうやって楽しく仕事をしようかな」と考える大人になってくれると思います。
進路が決まっている、決まっていない、の2パターンでまとめましたが、あなたがどちらに当てはまるのかはタイミング次第かもしれません。どちらであっても考えるポイントがあるので、参考にしてもらえるとうれしいです。