学習塾教室長の経験から、主に高校受験を控えた中3生を対象に書いているブログです。何か受験生の役に立つような情報提供をしたいと思っていますので、参考にしてもらえるとうれしいです。
- ライト兄弟の飛行機は飛ばない?
- 結局どうやって飛んだの?
- まずは思い込む
- ライト兄弟のすごいところ
- ①必ず設計図を書いてから作りはじめた
- ②世界中のデータを集めて比較した
- ③安定して飛ばせることよりも、自由に操縦できるように開発した
ライト兄弟の飛行機は飛ばない?
「ライト兄弟の飛行機は飛ばない」という話を知っていますか?
ライト兄弟は伝記や歴史でも常連です。世界で初めての有人動力飛行機、ライトフライヤー号で飛んだことはあまりに有名です。しかし、その設計図をもとに今の技術で飛行機を再現しても飛ばない、飛べないというのはなかなか面白いですね。この話を紹介したいと思います。
今の技術を使って正確にライト兄弟の飛行機を復元することは可能です。しかしこのライトフライヤー号、コンピューターを駆使してシュミレーションしても飛ばず、実際に復元して飛ばそうにも全然飛ばなかったようですね。2003年のことです。
初めての飛行から100年記念のイベントで、ライトフライヤー号は復元されました。100年越しに同じ地で飛び立つドラマチックなシチュエーションですが、墜落して壊れたりで散々だったそうです。
実際そのイベント当日は、風が弱くかなり難しい条件ではありました。しかし、理想的な風が吹いたとして本当に飛べたのでしょうか。そもそもライトフライヤー号で飛んだ歴史は、本当のことだったのでしょうか。
結局どうやって飛んだの?
最初はたった5人だったようですが、目撃者によると、ライト兄弟の飛行機ライトフライヤー号は確実に飛んでいます。その後も改良を重ねて何十分も飛べるようになり、世界中で飛行機の開発が本格化して現在の航空産業に至っています。
飛ぶことができた原因はとてもシンプルです。
「ライト兄弟は、飛ばないような飛行機で何千回もチャレンジするうちに、ものすごい飛行技術を身につけてしまった」
ということです。そんなに操縦が難しい飛行機を、イベントの本番でいきなり操れるわけがありません。
飛行技術もすごいですが、根底にあるのは「飛べるはず」という信念です。
どうせやってもダメだろう、と思っていたら何年も何千回もチャレンジすることは不可能です。いつかは飛べるはずという信念、もう少し身近な表現だと、いつかは飛べるはずという思い込みがないと努力は続かないものです。
この話はとても大切なことを教えてくれます。ひょっとしたら1回も成功せずに飛べなかった可能性だってありました。しかし「飛べるはず」という思い込みが努力を続けさせたのです。
その結果の飛行技術です。
まずは自分が、自分達が「できるはず」と思い込むことからはじめましょう。
まずは思い込む
これは受験でも仕事でもまったく一緒です。みなさんが受験に向けて頑張ろうと思っているのであれば、まずは
「成績上がるはず」
「合格できるはず」
と思い込みましょう。そうしないと数カ月の受験勉強、結構キツイですね。
(実際にその方が良い方向に結果が変わりますのでオススメ。ある意味で受験勉強は、この思い込みからスタートです!)
ライト兄弟のすごいところ
また別の角度からもライト兄弟を紹介します。
いくつも参考になるエピソードがあるはずです。
①必ず設計図を書いてから作りはじめた
これは飛行機に限らず、子どもの頃の雪用ソリ作り、大会用のタコ作り、飛行実験用のグライダー作り全部に共通しています。やみくもに作るのではなくて1回頭の中のアイディアを設計図として完成させることをお母さんが教えています。さすがいいこと言いますね。図で表現したり、図を使って考えることは勉強にもそのまま使えます。
②世界中のデータを集めて比較した
兄弟だけで頑張るのではなく、いろいろな専門家に相談しながら実験したことが成功への近道になっています。自分達が実験用のグライダーで測った数値と他の開発者のデータを比べることで、どうすれば成功に近づくのかイメージすることができます。
失敗のリスクを減らせることは大きいですね。「過去の教訓」と「新しく学んでいる勉強」の両方から情報を得ることが大切です。
③安定して飛ばせることよりも、自由に操縦できるように開発した
ライト兄弟が世界中の開発者と決定的に違ったのは、飛行機を頑丈にしたり
「どうやったらまっすぐ安定して飛べるかな?」
と研究したことではありません。
「どうやって作れば、自由に操縦できるようになるかな?」
と考えたことです。自由に操縦できる飛行機を開発しながら、誰にも負けない飛行技術を身につけるわけです。
当時の飛行機開発の分岐点になりました。ちょっと難しく言うとターニングポイントってヤツです。「飛行機の開発のポイントは、安定性ではなく操縦性だ!」という発見は画期的でした。これがなかったらいつまで経っても、風次第のグライダーから進歩しなかったでしょう。
兄ウォルビーと弟オーヴィルの性格がまるで「静」と「動」のように正反対だったことも、成功する大きなポイントだったと思います。たった1人の天才では実現しなかったでしょうし、たった1人だけで頑張っても実現しなかったでしょう。裏方で支えた妹のキャサリンの存在がなかったら開発に集中できなかったはずです。
・お互いの長所を活かす
・自分の弱いところを助けてもらう
・自分の得意なところは相手のために使ってますます自分の得意にする
これができると自分も相手も成長が止まらないですね。一生使える考え方なので、ぜひ覚えておいてもらえるとうれしいです。
必ずふわっと、まるで飛行機が離陸するように成績が上がる瞬間がやってきます。
ふわっと離陸するまで待てますか?
「絶対いつが成績が上がるはず」と思い込んでいれば、それまで頑張れますね。ぜひ前向きな思い込みを味方にしましょう。