入学後の第一印象は?【宇都宮東高等学校附属中学校】

2018年の春に公立中高一貫校(宇都宮東中)に合格した長女ですが、入学してみての感想を書きたいと思います。自宅からは15キロ離れているので、毎朝40分以上かけて送っていきますが、だいたい日々何をやっているのか、こっちからいろいろ聞いたり、長女が勝手に喋ったり、情報が勝手に耳に入ってきます。

 

入学したばっかりの頃は、至って普通に5教科やっているわけで、あまり他の公立中との区別はありませんでしたね。「昨日は何やってきたの?」と聞いても、単元で言えば特別なことはありません。

受験前は、頑張って勉強している姿を見ていたのでもちろん合格してほしいけど、別に不合格だったら不合格で、地元の中学校で楽しく部活でもやっているんだろうな、と気楽に考えていたものでした。

これが、入学して数週間経ち、徐々に「なるほどこれは、中高一貫校に合格して良かったな」と思うこと増えてきました。

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良かった理由は、大きなところで3つです。

①生徒の積極性が違う

②教科書の進みが早い

③自分でなんとかさせる

 

①生徒の積極性に関しては、受験して入学している時点で、ある程度のチャレンジ精神や行動力があるのでしょうが、学級委員長を決める際にほとんどの生徒が立候補の手を挙げたようです。女子に関しては、5名以外全員、男子も半分前後です。ウチの長女もとにかく手を挙げるタイプですが、小学校時代は単独指名みたいな状況が多く「他に誰かいないんかい?」と私は文句を言っていたくらいでした。

長女は委員長に選ばれず悔しそうでしたが、こんなエピソードだけでも環境が変わって良かったと思いましたね。

 

②教科書の進みが早いです。

私は私で学習塾の教室長をやりながら、いろんな小中学校の教科書の進み具合を把握していました。塾での授業内容を微調整したり、受験対策のタイミングを考えるためです。

早い学校がなぜ早いのかなんて、ほとんど気にしていなかったのですが、長女から毎日のように授業の様子を聞いてわかりました。今更ですが…

一言で言うと、小学校の復習をしないから。これが一番の要因ですね。

公立中学校では、新しい単元に入るときに、小学校で何を勉強してきたのか復習から入ります。復習した内容からの接続を考えて、新しいことを教える意味もあるのでしょうが、それ以上に小学校での定着があやふやな生徒がいるので、必要があってフォローしているのだと思います。

 

いきなり新しい単元に入って解説ができるので、復習で1コマ使う場合と比べると、それだけで2コマ分はリードしています。多くの中学校で理科や社会が終わらず消化不良のまま進級して、取り戻せない分はプリントで強引に終わらせることが、びっくりするくらいよくあります。中3の公民にあまり時間をかけられないのは、もはや既定路線なっています。

中学受験を経て入学した生徒は、余計な復習をしない余裕を持ったカリキュラムで教科書を進めることができます。

③自主的に解決させるという意図を感じます。

授業中に先生が「これってどういうことかな?」と聞くと誰でも彼でも関係なく、どんどん発言するらしいです。私の時代と比べるとずいぶん工夫があるというか変わったなぁと感じます。30年以上も前との比較は意味がないですね。

どんどん発言するのは、学校の取り組みとしてそういう雰囲気を作っているとのことです。私が長女から聞く限り、先生が「これわかる人?」って聞かないのがポイントですね。これだとわからない人は、わからない限り発言できない。

授業中もわからなかったら「隣の人に聞きなさい」と指導しているようです。授業中も小さい声が行き交うようですが、わからないことをスルーすることの方が大問題という考え方です。まだ中1だからでしょうが、規律よりとにかくコミュニケーション、発言することを優先する。。。こんな子どもたちが将来どうなるのか楽しみすぎます。

 

3学期制なので、定期テストは5回あります。長女は最初の2回くらいは相当順位が低く、内心「あれ?学校の授業にはちゃんとついていってるっぽいけど、どうなんだ?」と心配したこともありましたが、徐々に右肩上がりになってきたので少し安心です。それでも「どう!見て見て!」と通知表を持ってきた小学校の頃とはだいぶ違いますね。

 

最初の定期テストのときには、保護者全体にお知らせがありました。細かい文言は忘れてしまいましたが、おおよそ意味は

「もし点数や順位が悪くても本人が落ち込まないようにフォローしてください。小学校のときには優秀な成績を収めていた生徒が集まっているので、見たことのない順位に落ちるかもしれません。倍率4倍以上の受験で勝ち抜いた力を持っているのですから、自信を持って勉強するように促してください」

といった内容でした。

 

大人と違って、子どもの場合は成功体験がプラスに働くことがほとんどです。確かに、ここでお父さんお母さんが本人以上にガッカリしたら取り返しがつかないくらいのダメージになりますね。

中高一貫校の最初の半年くらいをまとめてみましたが、これから受験を目指すご家庭の少しでもお役に立てば幸いです。