学習塾でいろいろな生徒を見ていると「結局暗記量だな」と感じることが多々あります。知ってる英単語、知ってる漢字が多い方が読み書きでは圧倒的に有利です。
ラクにどんどん暗記できる方法を知っているかどうかで、暗記量に差がつくだけでなく、勉強に対する姿勢が大きく変わります。
新しい単元に入ったときに
「えー、またこんなに覚えるの?」
と臨むのか
「また何かすごいことやるのかな」
「よーし、倒してやろうじゃん」
では、授業をやる前からスタートラインが違います。
表現が極端かもしれませんが、障害物競争を歓迎する生徒ばっかりだったら、塾講師は毎回の授業が楽しくなることでしょう。
暗記の話に戻ります。あえて、反対のことを書きますが。
勉強って暗記すれば何とかなりそうですが、暗記はかなりアテにならないので要注意です。高校受験に必要な英単語は何千個とかよく言いますが、個数というよりは「つながり」の方が大事です。
ひとつの英単語から
「反対の意味だとなんて言うんだろう?」
「名詞にするとどう変化するんだろう?」
「似たような意味で他の単語ないかな?」
「他の単語と並べたらどんな意味になるのな?」
などなど、つなげて覚えた方が効率的です。
お互いにちょっと面倒ですが、その場でちゃんと辞書を引かせる学習塾や家庭教師は、派生知識の重要性をよく理解しています。
生徒のためを思う優秀な講師は必ず
「教科書になんて書いてあるか見てごらん」
「辞書を引いて調べてみよう」
という基本的なコミュニケーションを行います。こういう塾や家庭教師はオススメですね。
私が受験生だった頃は「出る順」みたいに内容に脈略がない参考書ばかりでしたが、最近は「つながり」を切り口にしているものも多いようです。
・おうぎ形の面積と円の面積を切り離して暗記してたら典型的な「公式ギライ」になってしまいます。
・平方根の求め方と2次方程式の求め方を切り離して暗記してたら大変です。
意外と塾で教えていると、こんなのばっかりです。夜空で星の位置を覚えるのは大変だけど、星座で覚えた方が覚えやすいっていうのに似てるかもしれません。
教える側も教わる側も「何と何がどうつながっているのか」を考えるようにすると、授業の質が一気に上がります。
ご家庭でも
「今日は何勉強したの?」
と質問するときに
「それってどういうことなの?」
「こないだ習った○○と何が違うの?」
とか説明させることができるといいですね。親は教えてもらうスタンスです。これだと「暗記してるかしてないか」という単純な話ではなくなります。
参考にしていただけると幸いです。