現在私は、学習塾教室長として小学生から高校生まで幅広い生徒と接しています。いろいろなアドバイスをするのですが、生徒や保護者に対して
「5教科のバランスをとりましょう」
と提案することが多いので、その内容についてまとめます。
これは決して、5教科全部80点を取りましょう!という意味ではなくて
「他の教科もカバーできるくらいのエース教科が1個、できれば2個あるとラクだよ」
という意味です。
5教科万能型の生徒ってあまりいないと思います。
学校でトップクラスの生徒でさえ、誰にも負けない教科が1個2個あって、周りが見たらイヤミにしか聞こえないような
「英語はイマイチだよ。全然わかんなかった」
とか言いながら92点取る、みたいな感じでしょうか。
例えば、今の段階で
「社会にはすごく自信があるんです」
というような生徒は、社会を誰にも負けないくらい伸ばす作戦がオススメです。あまり迷わず、社会の成績をさらに伸ばそうと頑張ってくれるでしょう。そのようなエース教科がない、またはつくりたいときにはどう考えたらいいでしょうか。
何の教科で点を稼ぐか決まっているとラクですが、個人的には数学と国語がオススメです。理科は単元によってかなり内容が変わりますね。
・酸化や還元、イオンのような化学実験系
・動物や植物のような仕組み理解系
・天気や電流のような現象理解系
・天体や仕事のような数学系
重要単元だけでもいろいろありすぎです。
これ以外にも
・大地のようなカタカナ漢字暗記系
など他にも細々あります。融合問題がほとんどない代わりに、とにかく薄く広く扱うイメージです。5教科を一通りマスターするのと同じくらい、中学理科をマスターするのは大変ですね。塾で見ていても、受験直前に仕上がる生徒が多いです。
社会はざっくり分けると地理、歴史、公民しかありません。だがしかし、地理と歴史は並行して入れ替えながら授業を進めるので、定期テストですら点数を安定させるのが難しいですね。
社会はつなげて覚える勉強法が習慣化されていれば、ある程度の点数は取れますが、喜望峰に到達した探検家とツンドラ気候の両方に関心ある生徒は、残念ながらほとんどいないです。
話が脱線しますが、理科と社会はカリキュラムに問題があるのでしょうか、きちんと消化されない中学校がチラホラありますね。最後はプリントを使って駆け抜ける、みたいな。心配です。
英語はここ栃木県のようなちょい地方ですら、メチャクチャできる帰国子女や幼児教育あがりがいます。そういった
「土台が出来上がっている生徒」
「体系的に単語と文法が理解できている生徒」
は本当に良くできますが、アタマひとつリードするのはなかなか難しいです。途中から得意になることがあまりない教科ですね。
多くの塾講師が賛同してくれると思いますが、数学と国語はやればやっただけ点数が上がります。
・基本的にカンタンな順に問題が並んでいる
・カンタンな問題と難しい問題を見分けやすい
・暗記というよりはパターンでなんとかなる
これだけのことですが、1回でいいから成績が上がりはじめると下がりにくい傾向があるのもいいですね。
「カンタンな問題を落とさない」という作戦が一番通用しやすい!
とも言えます。 学習塾で指導する際も
「まずはこの問題ができるようにしましょう」
「次はこの問題ができるようにしましょう」
とステップをつくりやすいです。
英語の点数が不安で学習塾を検討しているご家庭は、国語と英語の組み合わせで考えることを強くオススメします。理科や社会が不安であっても、先に数学と国語に心配がないか点検した方が良いですね。
数学と国語は焦らずに右肩上がりにすることが大切です。詰め込みみたいな勉強法が難しいので、一気に30点上げるのが難しい教科ではあります。その代わり、一気に30点下がることもほとんどありません。
数学と国語だって新しいことがどんどん出てきますが、教科書の例題をよく読んで、スラスラ書けるまで解答を写す。これだけでも確実にできるようになります。
ぜひ数学と国語をエース教科にできるといいですね。この2教科が良くなると他の教科も良くなってきます。参考にしていただけると幸いです。