学習塾教室長の視点から、成績が伸びるコツを紹介したいと思います。
当塾は個別指導塾ながら毎年150名以上の塾生が在籍し、生徒数はかなり多い方だと思います。主に中学受験、高校受験、大学受験対策を行っており、小学生から高校生まで幅広く指導を行っています。もちろん受験に関するテクニックや情報も大切なのですが、その土台に関する話題を書きたいと思います。
書く速さについてです。
勉強でも何でも書くのが速いことは有利です。
ある生徒の点数を20~30点単位で飛躍的に上げようと思ったときに、書くのが速いか遅いかで戦略を変えた方がいいくらいです。
わかりやすく数学の高校入試であれば、受験本番の50分のなかで
・書くのが速い生徒は、35分くらいでひと通り問題を解き終わって、見直しや解けなかった問題に再度時間を充てられる
・書くのが遅い生徒は、もし全部の問題が完答できるとしても70%くらいのところでタイムオーバー、見直しもできない
・書くのが普通の生徒は、50分でひと通り解き終わるがしかし、見直し時間が足りなくて計算ミスなどの取りこぼしがある
といったイメージです。
「書くのが普通」
というのは、客観的な数字で表現するのが難しいですが、方程式の文章題であれば
「式が出来上がってから解が求まるまで30秒以内」
ですね。
問題を読んでいる時間や考えている時間も大切ですが、そこを短縮させるのはテクニックや練習量の問題です。
・いかにいろんな問題と顔見知りになるか
・いかに近道で解くか
・いかに応用できるようにするか
なので、学習塾や家庭教師の得意分野です。
書いている時間を短縮させることは、塾講師にもある程度の指導はできますが、考えてみれば時間がもったいないですね。式変形の近道や筆算の書き方など指導できることはほんの一部です。中学受験や高校受験を考える前にどうすれば速く書けるのか考えてもらえると、同じ時間で単純に演習量を増やせます。
得点力に響きますので(極端な例ですが)読みにくいほど雑であったとしても、それを差し引いても書くのが速いことは有利です。
塾講師も「どんどん理解はしてるのに、なんで模試の点数が伸びないんだろう…」と悩む原因が、たったこれだけだったりするくらいです。
「速く書こう!」って練習してもさすがに倍の速さにはできません。残念ながらアタマ打ちになりますので、本格的な受験勉強の前には「自己ベストの速さ」で書けるように仕上げておきましょう。
そんなわけで、ご家庭でやれることと言えば、勉強するときだけでなく
「何を書くにも速く書く!」
これを意識させることですね。テキトーではだめですが
「多少汚くても速く書く!」
幼児教育の領域ですが、開き直りが必要です。
勉強も仕事もリズムが大事です。
リズムが崩れるほど丁寧に書く場面は限られると思いますので、サーっと書き上げるイメージからはじめましょう。ここから点数の飛躍がはじまります。
社会に出れば、最悪キーボードがあります。
読めればOK、マークシートで読み取れるならいいんじゃない、くらいの気持ちで充分でしょう。
受験勉強の際に、改めて考えていただけると幸いです。