日々の宿題の出し方は難しいですね。どのような出し方が効果的なのか、学習塾での経験をもとにまとめます。学習塾に通わせようか検討したり、いくつかの学習塾を比べるときに参考にしてもらえるとうれしいです。
学習塾教室長として、毎日のように講師達と相談するときも、宿題ネタは多かったです。教わったことの定着のためには宿題は欠かせません。また「ひとりでやってみてもできた!」という小さな成長実感の積み重ねが自信につながります。
宿題は確実にメリットの方が多いのですが、やらせることで課題も見えますね。
・全然やってこない(マジで)
・授業の直前にやるからグチャグチャ(読めない)
・そもそも全然できてない(悲しい)
・何が宿題だったか覚えていない(寂しい)
・プリント忘れてきました(確信犯だろ)
・答えをまんま写してるだけ(もう少し上手にできるだろ)
みたいなことばかりでした。
保護者からも
・家で宿題やらなくて困ってます
・塾の授業がわからないみたいです
・すぐ終わってしまうので量を増やしてください(ならまだ全然いいのですが…)
・(終わってないし、できてもいないけど)もっとたくさん宿題出してもらえますか(なんで?)
といろいろです。
宿題の目的は
・ちゃんと理解できたのか確認する
・ひとりでもできるのか確認する
です。
それ以前の状況で足踏みしているようなら、学習塾としても戦略を変える必要があります。ここはご家庭の協力も必要です。
具体的には
「宿題やってきました!」
をゴールにするのではなく
「◆◆ができるようになりました!」
をゴールにすることです。
「解の公式を、次の授業までに8秒で言える!」みたいな宿題の出し方です。
何回ノートに写すとか、何問解いてくる、みたいな宿題の出し方は「やってきました!」の一言で終了してしまいがちです。宿題を出した講師も、ノートにしっかり書いてあれば安心しちゃいます。これはちょっと危険ですね。数週間後に「あれ、できてたんじゃなかったっけ?」と生徒に対して急に不安を感じる瞬間です。
こうならないためにも「できるようになる」という宿題の出し方がオススメです。言い方は悪いですが、これなら生徒の「やってきました!」に騙されずに安心できます。
今日教えたことを演習するだけではなく、実際にできることをゴールにすると、もうひとついいことがあります。ご家庭で確認がしやすいということです。自分の部屋に閉じこもって、解の公式で解いたとしてもダラダラ解いていたり、ヒントを見ながら解いていたのでは、せっかく教えた講師は心配です。どんなにわかりやすく教えても意味がないということです。
できるようになったかどうかをご家庭でも確認できたらかなり安心だと思います。成長が目に見えますし、おそらく「解の公式をなるべく早く言う」というピンポイントの競争なら、お父さんやお母さんは負けるでしょう。こういう雰囲気をつくれたらどんどん勉強するようになりますね。
もし学習塾を検討していたり、探しているのであれば、どのように宿題を出しているのか確認してもらえると、より判断しやすいと思います。仕事にも同じことが言えますが、こなすことが目的にならないように導くのが大事ですね。
参考にしていただけると幸いです。